[原子力産業新聞] 2007年2月15日 第2367号 <4面> |
原産協会が主催 初の学生向け就職セミナーに200名が来場 「原子力で働く」意義を呼びかけ日本原子力産業協会は8日、TEPIAプラザ(東京・港区)で、「理工系大学生向け原子力産業セミナー」を開催した。 就職関係のセミナー開催は初の試み。知識・経験を積んできた多くの技術者たちが退職時期を迎えつつある中で、原子力産業に就職を希望する学生の数が十分ではないとの認識から開催したもので、職業としての原子力産業の魅力を大学生にアピールするもの。約200名程度の参加があった。 参加企業・機関は電力会社、原子力研究機関、燃料製造会社、エンジニアリング会社など25社。各参加企業のブースでは担当者が、紹介ビデオや原子力技術の説明書などを用意し、学生からの質問に答えたほか、技術者による講演も行われた。 東京電力の高木直行氏(原子力技術・品質安全部将来構想グループ、工学博士)は、「生涯の仕事に原子力を選択することの意味」と題する講演で、世界中で今後100年間に5,000GWの原子力発電所(100万kW×5,000基=年間50基程度)を建設すれば、CO2は550ppm(05年は379ppm)程度で安定化できるなどと技術者としての夢を語った。高木氏は、「将来のエネルギーを支えることができるのは原子力しかない」と、原子力発電に携わる使命を学生らに強調した。 小川真知子氏(グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン)は、就職の気構えについて自らの経験をもとに語った。 小川氏は、米国の大学卒後の就職活動で、社会的貢献度が高いのみならず、自己成長のできそうな企業――自分を磨ける「人材」と「環境」がそろっている企業を理想として、自動車、IT、技術商社、原子力など、幅広く回ったという。就職活動で重要な点として、「自らの考え方をはっきりと持つようにして欲しい」と述べ、本セミナーを通じて、多くの企業・技術者から話を聞くことを学生たちに呼びかけた。 |