[原子力産業新聞] 2007年2月22日 第2368号 <1面>

原子力委・政策評価部会 平和利用等の評価まとまる 国際議論へのより積極的な参画必要

原子力委員会の政策評価部会は20日、第12回会合を開催、平和利用の担保及び核不拡散体制の維持・強化に関する報告書案をほぼ取りまとめた。概ね、原子力政策大綱に整合する政策が進められていると評価した上で、国内外への情報発信の充実、核不拡散体制の維持・強化のための国際議論へのより積極的な参画などを求めている。

同報告書は、これまで6回の議論により取りまとめたもの。国内外の枠組みに基づく平和利用の担保、国内外への情報発信、プルトニウム利用の透明性確保、核不拡散・核軍縮への取組み、人材の育成・関連技術開発等への取組み―など原子力政策大綱に盛込まれた基本方針と現行政策を評価した。その結果、我が国では平和利用を担保するための施策が進められており、核不拡散体制の維持・強化も含め今後の取組み方針も大綱に整合している、とした。

その上で、保障措置活動ではIAEAと連携し活動の妥当性を検証、各種の改善活動により、効果的かつ効率的な活動を推進すべきと指摘。また、国内外で我が国の平和利用の取組みに対する認識に差があるとし、平和利用モデル国家としてリーダーシップを発揮し、より国際的な理解を進めるよう求めている。

核不拡散・核軍縮への取組みでは、今後とも核不拡散の維持・強化のための国際的な新たな議論に積極的に加わるとともに、実効力あるNPT体制の早期実現に向けて提案し、国際社会に貢献することが重要と指摘。包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効や兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の早期交渉開始等、核軍縮関連条約関係の対外的な働きかけの強化も求めた。

原子力委員会では同報告書案を来月中旬にもパブコメに付す予定。


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