[原子力産業新聞] 2007年2月22日 第2368号 <1面>

文科省・研究開発委 核融合部会案の骨子を了承 新フォーラム設置など

 

文部科学省の原子力分野の研究開発に関する委員会は15日、第23回会合を開催、同委員会の下に設置した核融合研究作業部会の報告書素案等を審議し、その骨子を了承した。作業部会は3月中に最終報告書を取りまとめる予定。

素案は核融合研究の現状と課題、今後の推進方策の2章で構成。推進方策の中のITER計画及び幅広いアプローチでは、基本的考え方として国際的優位性と国際的連携の両立が必要とするとともに、全国的研究体制の構築、核融合エネルギーフォーラムの設置、テストブランケットの重要性などを挙げた。

同フォーラムは、情報交換や討議の場として活動している現在の「核融合フォーラム」を改革し設置するもので、ITERや幅広いアプローチの実施段階で必要となる学術界・産業界などの意見集約を担う。またITERにテストブランケットを取付けて実施する総合機能試験が重要なマイルストーンで、これが原型炉の根幹技術になると指摘。我が国の主案である固体増殖(水冷式)方式は原子力機構を中心に研究開発を推進するとともに、液体増殖などの先進ブランケット方式については大学等を中心に学術研究として推進すべきとしている。

幅広いアプローチでは日欧の研究者だけでなく、他のITER参加極からの幅広い参加を促すとともに、青森県六ヶ所村に研究者の受入れ体制整備を求めている。


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