[原子力産業新聞] 2007年2月22日 第2368号 <3面>

イタリア ダレーマ副首相 原子力発電の見直しを示唆

脱原子力政策を堅持しているイタリアで、M.ダレーマ副首相兼外相が原子力発電を支持するスピーチをし、話題になっている。

これはダレーマ大臣が今月、同国のエネルギー安全保障と外交政策に関する円卓会議で発言したもので、同大臣は「脱化石燃料経済」に向けた長期的戦略について発言。エネルギー源を多様化する重要性から、「クリーンコール・テクノロジーの活用と原子力発電利用が不可欠」との認識を示した。

また欧州連合(EU)加盟国の拡大や地球温暖化防止の流れの中で、イタリアの産業競争力を強化する必要があると強調。他のEU諸国が原子力や石炭に依存する中で、イタリアは石油や天然ガスに依存しており、イタリアの電力料金は欧州平均よりも高水準になっている、と指摘した。

イタリアでは2005年1月、S.ベルルスコーニ首相(当時)が「イタリアは原子力発電オプションを放棄すべきではない」と述べるとともに、「再選されれば原子力発電に関する議論を再開することもあり得る」とし、脱原子力政策の転換の可能性を示唆していた。しかし同首相は昨年の総選挙で敗退し、議論再開は立ち消えになっていた。


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