[原子力産業新聞] 2007年2月22日 第2368号 <4面>

IAEAとISO “退避警告標識” 補助標識として限定使用

国際原子力機関(IAEA)と国際標準化機構(ISO)は15日から、従来からの三つ葉マークの国際放射能標識に加えて、補助標識として新たに放射能警告標識(=写真下)の使用、運用を開始した。

新放射能警告標識は、がん治療用の遠隔治療機械、工業用放射線撮影機器、食品照射などのために使用する大型線源・放射性同位元素で、人が接近すると死亡や重傷を招く恐れのある危険な線源に対して表示をするもので、極めて限定的な場所での掲示となり、一般の人の目にふれることはほとんどない。いわば、万一この標識を何らかの理由で見てしまった一般の人に対しては、“危険――直ちに離れろ”という警告のための標識だ。

この標識は、一般の人が機器を分解しないように、また、近づかないように警告するものとして、線源を収納している機器などに貼り付けたりする一方、建物のアクセス扉や輸送用梱包、コンテナなどには貼り付けてはいけないことになっている。大きさは3センチメートル以上、刻印する場合は赤色を使わなくてもよい。

新標識のデザインを作るに当たっては、潜在的危険性を有する高線源について、どこでも誰にでも明確に警告することができるようなものをめざし、5年間をかけて、開発途上国の人々を中心に11か国・1,650人のアンケートなども行った結果。枠内に3種の図形を入れるのは異例。

途上国などでは、古い病院などから貴重金属として放射線源などを運び出し、本人が知らないうちに被ばくしてしまう惨事などが発生している。


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