[原子力産業新聞] 2007年3月1日 第2369号 <2面> |
田嶋町長が広報誌で考え方示す 「勉強する価値ある」高知県・東洋町の田嶋裕起町長はこのほど、同町の広報誌「広報とうよう」で、今回の応募の考え方などを示した。 田嶋町長は、まず地方交付税の削減もあり、同町のような自主財源の少ない地方自治体は「悲鳴を上げなければならなくなっている」と現状の厳しさを強調。このような中で、高レベル廃棄物処分場の設置可能性調査に関する勉強会を開催してきており、調査の各段階でも交付金で財政支援を得られることから、「勉強する価値があると判断した」と述べている。 一方、「町外の方が代表となり、『東洋町を考える会』等を作り、反対の署名活動を町の内外で進めている」と指摘。「私たちの町の将来は、私たち自身が考えなければならない」と訴え、「今日の『夕張市』は『明日のわが身』と考えたとき、笑い事では済まされない」と強調した。 そうならないためにも国から財政支援を受け、障害者の自立支援、高齢者の生活支援、子育て支援、避難場所・避難道路整備、商店活性化事業、農林漁業基盤整備、教育施設・集会所整備などの事業を展開し、「町づくりを進めることも、一つの大きな『選択肢』にならないか」、と東洋町民に問いかけている。 地層処分の安全性については、推進と反対の立場では「今のところ交わることは考えられない」とした上で、調査期間中もさらなる勉強を続けることを強調。「それでも心配が払拭できなければ、条例を制定し、住民投票によって、それ以上進むのか進まないのかを町の意思として決定することも、また一つの『選択肢』」としている。 田嶋町長はこれまでも東洋町のホームページに応募の経緯や考え方を掲載。その中で全町民の60%超の署名による議会への誘致反対請願書提出に関しては、「重く受け止めなければならない」としながらも、「高い政治的判断をもって優先しなければならない政治的課題もある」としていた。 |