[原子力産業新聞] 2007年3月1日 第2369号 <3面>

トルコ議会委員会が法案承認 原子力発電所の建設にインセンティブ

トルコ議会の産業・貿易・エネルギー・天然資源・通信委員会は2月22日、「原子力発電所の建設・運転・売電に関する法案」を承認した。

同法案は新規の原子力発電所の運開後15年間、配電認可を持つすべての電力会社に対し、原子力発電による電力を一定量購入することを義務付けるもの。これにより原子力発電所の運転者(もしくは投資者)は一定額の回収が保証され、同国の原子力発電所建設計画に民間資本の導入を促すことになる。

H.ギュレル・エネルギー天然資源相は、民間からの出資者を募ることで、国庫負担が緩和されるとし、次期総選挙が実施される11月までに出資者の募集を開始するとしている。また建設候補サイトとして、地中海沿岸のアックユと黒海沿岸のシノップを挙げている。これまでの報道を総合すると、3基、500万kWが建設される計画である。

経済活動の活発化によって、トルコの電力需要は急伸しており、1980年には512万kWであった設備容量は、1997年には4倍以上の2,189万kWに拡大。2001年の金融危機後に伸び率は若干鈍化したものの、2003年には3,230万kW(天然ガス火力=40%、水力=28%、石炭火力=24%、石油火力=7%)に達した。トルコ電力公社(TEAS)は、2020年までに5,400万kWの設備容量が必要になると予測している。


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