[原子力産業新聞] 2007年3月15日 第2371号 <4面>

書評 「放射線と現代生活」 アラン E.ウォルター著

一読した第一印象は──単位記号や数字が出てきて少し難しそう。「放射能・放射線」というものをこれから学びたい、という方々には本書は少しハードルが高いかもしれない。

しかし、授業で少し勉強したけれど、ニュースや新聞で読んだ放射線の記事に興味をもったけれど、実際の生活と放射線がどのような関係を持っているのかもう少し知りたい、という皆さんには最適の入門書だ。序文では放射線発見の歴史をマリー・キュリーの視点から述べ、第1章では興味深い事例を例に挙げて読者に質問を投げかけ、読者の興味をひきつける。第3章以降では、「現代生活のこんなところでも放射線が利用されているのか!」という新しい発見があることだろう。また、経済への貢献など、科学の教科書にはなかなか見られない視点から「放射線」を解説していることも興味深い。ウォルター博士の著書には、いつも新しい発見がある。

ERC出版発行、税込み1,995円。


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