[原子力産業新聞] 2007年3月29日 第2373号 <4面>

ガラス固化体は防護区域Vに 防護専門部会が報告書案

原子力委員会の原子力防護専門部会は23日、第3回会合を開催、中間報告書案「ガラス固化体等の防護の在り方に関する基本的考え方」をほぼ取りまとめた。来月6日の次会合で最終案を作成、パブコメに付す。

妨害破壊行為を考慮し、新たに防護対象とする対象物は、ガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)と浅地中処分対象になるものを除く長半減期低発熱放射性廃棄物(TRU廃棄物)。同じく対象施設は、@これらの対象物を扱う地層処分施設や余裕深度処分施設A最終処分までの期間、対象物の管理を行う施設――となっている。

防護措置の整備に当たっては、対象物が容易に環境に飛散し難く、施設も堅固な構造物であることを考慮し、一般原子炉のように設計基礎脅威(DBT)を策定する方式ではなく、防護措置要件方式を採用してもよいとした。国も防護のための区域の整備については、多重とならない範囲で事業者に求めることが適切としている。

現在、我が国では防護要件が相対的に低い防護区分Vの核燃料物質を扱う事業者には、国が法令で示す網羅的な防護措置(防護措置要件方式)を課すこととしており、今回のガラス固化体等もこの防護区域Vとして扱うことになる。IAEA指針案でも、ガラス固化体等の防護措置では必ずしもDBTを作成し適用する方式(防護区域TおよびUに適用)をとる必要はないとしている。


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