[原子力産業新聞] 2007年4月5日 第2374号 <1面>

日本原燃 カスケード試験を開始 新型遠心機を組立て

日本原燃は2日から、青森県六ヶ所村の研究開発棟で開発・据付を進めてきた新型遠心分離機の「カスケード試験」を開始した。同試験は、実プラントで使用する遠心機を組み合わせた設備を用い、運転特性の確認や運転操作方法を確立することを目的としたもの。

まず六フッ化ウランを供給しないで、真空状態を保ち、圧力の変化を確認するなど、起動のための条件設定を確認する試験から開始する。

その後、段階的に試験工程を進め、早ければ今年夏ごろには六フッ化ウランを供給して、カスケード設備の性能を確認することにしている。

これらの試験結果を受けて、ウラン濃縮工場では2010年度に新型遠心機による生産を開始し、その後、段階的に工場規模を拡大し、約10年で年産1,500トン(分離作業単位)の規模にする計画だ。国内需要は現在、年5,000トンSWU程度となっている。

同社のウラン濃縮工場では、当初、国内需要の3分の1程度をまかなうため、1,500トンSWU/年を目標に遠心機の製造・据付を行い、150トンSWU/年の能力を有するユニットを七ユニットまで増設した。しかし、遠心機の停止台数がしだいに増加、さらに高性能の新型遠心機の開発に時間がかかり、現在では2ユニット・300トンSWU/年の生産規模にまで減少している。

なお、同ウラン濃縮設備には、国際原子力機関(IAEA)の査察が、定期・不定期のものを合わせて年間20数回実施されている。


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