[原子力産業新聞] 2007年4月19日 第2376号 <1面>

原技協も独自解析で同様見解

日本原子力技術協会は11日夕、志賀1号機での臨界発生事象について、同電力から必要な情報を入手したうえで、独自に解析した結果を記者会見して明らかにした。17日にはホームページ上に解析結果を掲載した。

それによると、解析した範囲は炉心体積の約4%。制御棒の引き抜け速度が不明で、解析では基本ケースとして秒速4.7センチと設定(通常駆動時は秒速7.6センチ)した。制御棒が部分的に引き抜けていた15分間のうち、臨界到達から約6秒後に急激な出力上昇があり、最大熱出力は定格熱出力の約14%の23万kWに瞬間的に達し、約0.3秒で原子炉の自己制御性により4,000kW(定格熱出力の約0.3%)にまで低下して安定した、と見ている。

燃料温度は最高で約700℃まで上昇したものの、燃料の健全性には何ら問題はなかった、としている。ただ、冷却水の温度は炉心出口部では沸点に達していたものと推定しているが、それも1分以内には収まった。

原技協では「即発臨界になったかも知れないし、ならなかったかも知れない」との結論で、結果的に北陸電力の解析結果と同等の結果が出たとしている。


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