[原子力産業新聞] 2007年4月19日 第2376号 <2面>

原子力機構「連携ネット」で 3大学を結ぶ講義が開始

日本原子力研究開発機構と金沢大学、東京工業大学、福井大学で構築する「原子力教育大学連携ネットワーク」による遠隔教育システムで十三日、学生への講義が開始された。原子力機構の研究開発拠点と3大学をインターネットで結び、リアルタイムに共通講義を行うもので、各大学の単位として認定される。

開講したのは大学院課程年度前期に開設する放射線関連科目。年度後期は地層処分関連科目となる。初回は東工大の藤井靖彦・原子炉工学研究所教授が教壇に立ち、ウランガラスの放つ蛍光を実演するなど、遠隔システムを活かしたオリエンテーション講義を行った(=写真)。今後は、各大学が講義発信拠点となり、相互補完し合う格好で講義を進めていくほか、原子力機構の施設を利用した実習も行う予定だ。

同日、東工大講義室で行われた開講式で、中島一郎・原子力機構理事は、連携大学院制度開始から、今回、3大学との相互連携講義にまでこぎ着けた経緯を振り返った上、研究開発資源を大学教育に提供していく立場から、「最大限の努力を」と述べるなど、原子力人材育成に向けた意気込みを示した。

原子力機構では今後、本取組を他大学にも拡大する意向だが、大学ごとの学内行事、カリキュラムによる制約などの課題もある。


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