[原子力産業新聞] 2007年4月19日 第2376号 <3面>

IAEAシンポを開催 高市大臣「IAEAと連携し国際展開を」

原産年次大会の中日にあたる11日、国際原子力機関(IAEA)の主催、内閣府、外務省、文部科学省、経済産業省、原産協会の共催でIAEA設立50周年特別シンポジウムが開催された。これほど大勢のIAEA幹部がウィーン以外に集まるのは、特別なことだという。

「原子力エネルギー・未来に向けた世界の挑戦とIAEA」をテーマに開催された同シンポジウムは、IAEAの半世紀におよぶ歴史を振り返るだけでなく、将来に向けた課題や日本との協力関係の維持・強化を訴える内容となった。議長はR.ミザーブ元・米原子力規制委員会委員長が務めた。

共催者として挨拶に立った高市早苗・科学技術担当大臣は、同シンポジウムを日本の核燃料サイクルの中心地である青森で開催できることは「大変喜ばしい」ことと、開催を歓迎。そして、日本はIAEAと緊密に連携し、ベトナム、インドネシア、カザフスタンへの原子力発電導入に力を入れていきたいと述べた。また、IAEAの提唱する核燃料供給保証の枠組み構築に向けて、審議に積極的に参加していく強い意欲を示した。

続いて挨拶に立った今井敬・原産協会会長は、「日本の原子力産業界は、日本が原子力の平和利用に徹していることを誇りとしている」と強調。核軍縮・核不拡散においてIAEAの使命は大きくなっており、原産協会は今後も人的交流などを含めIAEAの活動を支援していくとした。

また来賓として三村申吾・青森県知事も登壇し、「日本はIAEAとともに原子力平和利用の道を歩んできた。中でも六ヶ所核燃料サイクル施設は、原子力平和利用の最先端」と指摘。青森県は第4世代炉や米GNEP構想への日本の参画についても支援していきたい、と述べた。

その後、D.ウォーラーIAEA事務局次長が「IAEA50年の歩み」と題して記念講演。IAEAのこれまでを振り返った。講演の最後には、原産協会のIAEAに対するこれまでの貢献に感謝し、M.エルバラダイ事務局長名の感謝状を今井会長に手渡す場面もあった(=写真)。


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