[原子力産業新聞] 2007年4月19日 第2376号 <3面>

パイクトン濃縮施設に建設・操業認可 USEC社 2009年にも部分操業を開始へ

米原子力規制委員会(NRC)は13日、USEC社が計画しているパイクトン遠心分離法ウラン濃縮施設(アメリカン・セントリフュージ・プラント)に対し、建設・操業認可を発給した。

同プラントはオハイオ州パイクトンに建設され、総工費は23億ドルと見積もられている。

USEC社は2009年にも同施設の部分操業を開始し、12年には全1万1,500基の遠心分離機を設置し、フル操業にこぎつけたい考えだ。

USEC社が認可を申請したのは2004年8月で、NRCは昨年9月に最終的な安全評価報告書(SER)を発表。審査の最終段階に当たる原子力安全許認可会議(ASLB)主催の公聴会が今年3月に開催され、今回の認可発給に至った。認可の有効期間は30年。

アメリカン・セントリフュージ・プラントに導入される新遠心分離技術は、USEC社の主力であるガス拡散法技術の約5%しか電力を消費しないなど、経済性が高いのが特徴。濃縮能力は年間3,800トンSWUだが、同社は将来的にプラントをモジュラー建設し、濃縮能力を倍増することも視野に入れている。

米国では昨年6月、同じく遠心分離技術を使ったルイジアナ・エナジー・サービシーズ社(LES)のナショナル・エンリッチメント・ファシリティー(NEF)に対し、NRCが建設・操業認可を発給している。

NEFの濃縮能力は年間3,000トンSWUで、2008年に部分操業を、2013年にフル操業を予定している。

なおアメリカン・セントリフュージの実証施設が同じパイクトン・サイト内に建設されており、年内に試運転を開始する見込みである。


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