[原子力産業新聞] 2007年4月19日 第2376号 <4面>

第40回原産年次大会 【開会セッションと特別講演】

〈開会セッション〉 三村申吾・青森県知事 子どもたちのために

私は知事就任以来、原子力はもとより風力、太陽光、バイオマス等の再生可能エネルギーの利用など、エネルギー分野に関する様々な施策を進めてきた。

20世紀はまさに、欲望の時代であった。人間の欲しいままに資源やエネルギーが際限なく地球から搾取された。その結果はどうであったか。

地球レベルでの温暖化が海水面を上昇させている。このうちの何センチかは、ひょっとしたら、私たち日本人の責任であるかも知れないと恐れている。

産業革命以前の暮らしに戻り、産業革命以前の人口に戻れば問題が解決するということでもない。

青森県は、原子燃料サイクル事業などについて、国のエネルギー政策、原子力政策に沿う重要な事業であるとの認識の下、安全確保を第一義に、地域振興への寄与を前提として協力してきた。

私たちは、21世紀を担う子どもたちが、美しい自然の中で豊かな心を育み、成長していくことを願っている。我々の子どもたちが、すばらしい未来を迎えられるよう、現代の科学と人間、そして地球環境をどう調和させていくのかが、この地球に住む全ての人類の課題であり、青森県はこうした課題に貢献していきたいと考えている。


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