[原子力産業新聞] 2007年4月19日 第2376号 <5面>

第40回原産年次大会 【セッション2】「今後、原子燃料は安定的に供給されうるか」

エネルギー安全保障や地球温暖化への有効な対策として、欧米諸国とならび中国やインドを始めとする開発途上国が原子力発電の拡大に傾斜していくことは、必然的な動きである。将来にわたってウラン資源や濃縮の供給能力は、世界の需要を担保しうるか、また、核不拡散を促進しつつ、拡大するニーズに対して燃料の安定供給が将来にわたり確保できるかどうかは、原子力発電の将来を左右する。さらに、供給能力を拡大する観点から極めて重要な燃料のリサイクルが鍵を握っている。

このセッションでは、原子燃料供給者と受領者が、将来の原子燃料市場を展望し、安定供給のあり方について論じるとともに、今後わが国の燃料サイクル事業を安定的に展開するための課題を探る。議長は、秋元勇巳・原産協会副会長・三菱マテリアル名誉顧問。

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議長

世界は今、原子力ルネッサンスの波が打ち寄せ、各国ともアグレッシブな計画を持ちつつある。IEAによると、2030年時点で、省エネを一生懸命やっても、世界のエネルギー需要は38%、CO排出量も31%増加するといわれている。これとて、04〜30年に1億5,500万kWの原子力導入を前提としている。核燃料サイクルが燃料供給の問題を左右することはいうまでもなく、バックエンドには立ち入らないが、ウラン資源と濃縮の供給能力が、量と価格の点で世界の需要に対応できるのか考えてみたい。


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