[原子力産業新聞] 2007年4月26日 第2377号 <1面>

日米原子力共同計画に署名 経産相「原子力同盟の幕開け」 共同で課題克服めざす

経済産業省は24日、「日米原子力エネルギー共同行動計画」に、甘利明経産相、伊吹文明文科相、麻生太郎外相、S.W.ボドマン・DOE長官が19日付で署名したと発表した。共同行動計画は、@GNEPに基づく原子力研究開発の協力A原子力発電所の新規建設を支援するための政策協調B核燃料供給保証メカニズムの構築C原子力に関心を有する国における原子力の拡大についての協調――を柱としている。甘利経産相は、今回の署名を受け、「日米原子力エネルギー同盟時代の幕開けとも位置付けられる」などとする談話を発表した。両国は1月、甘利経産相とボドマン長官との会談で、日米協力の枠組みとなる民生用原子力アクションプランの共同作成に合意しており、これを受けての策定。

本計画の下で、核拡散リスクを管理し、原子力エネルギー利用拡大の世界的な枠組みを確立するという目標に向け、これまでの二国間会合で合意された特定分野の共同協力を具体化していく。

GNEP下での原子力研究開発協力は、フェーズT〜Vの3段階で実施するが、本共同計画はフェーズTに焦点を当てた。フェーズTでは、短期的な協力活動を早急に開始することを目標に、技術分野ごとに高速炉技術、燃料サイクル技術、シミュレーションおよびモデリング、中小型炉、保障措置と核物質防護、廃棄物管理の6ワーキンググループを設置して、08年4月に報告をとりまとめる。各WGは6月を目途に開始される。

また、米国での原子力発電所新規建設支援に向けた日米間政策調整のための作業部会を設置し、米国政府による債務保証、日本側の貿易保険等についても検討する。

核燃料供給については、主にIAEAにおける保証体制を支援するための技術的分析で、「六ヶ国構想」、日本の提案する「IAEA核燃料供給登録システム」も踏まえて、事務レベルでの情報交換を継続する。新たに原子力発電を導入する国に対する核不拡散、原子力安全、人材開発支援などについても協議する。


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