[原子力産業新聞] 2007年4月26日 第2377号 <3面>

ロシアの海上浮遊型原子力発電所 世界初のFNPPを起工

セブマッシュ・プリドプリヤチェ造船所(=写真)は15日、白海沿岸のセヴェロドヴィンスク市(アルハンゲリスク州)で、世界初の海上浮遊型原子力発電所(FNPP)を起工した。同発電所はFNPPのパイロット・プラントと位置づけられ、アカデミック・ロモノソフFNPPと名付けられた。2010年の運開を予定している。

FNPPは原子力砕氷船用の舶用炉KLT40S(半一体型PWR)を2基搭載したバージ型(タグボートで曳航・係留)で、電気出力は7万7,000kW、熱出力が17万kW。排水量は2万1,500トンで定員69名。

設計寿命は38年、運転サイクルは36カ月で、4運転サイクル(12年)ごとにドック入りして大規模改修が行われる。kWhあたりの発電コストは1.5ルーブル(6.9円)と試算されている。

FNPPは、燃料不足に苦しむロシア北部などの電熱供給源として活用される。また遠隔地電源や、海水脱塩用(日量24万mの淡水製造も可能)として、リース方式での海外輸出も期待されている。

起工式に出席したS.キリエンコ原子力庁長官は、「FNPPには各国から関心が寄せられている」と指摘し、約3億ドルと見積もられるFNPPの建設費用は、「シリーズ建設を開始することで、さらに削減できる」との考えを示した。


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