[原子力産業新聞] 2007年4月26日 第2377号 <4面>

文科省/原子力機構 試験研究炉でも進む安全の取組

原子力安全・保安院、電力会社を中心に、商業用原子炉の耐震安全性評価、手続きもれ点検が進んでいるが、日本原子力研究開発機構の試験研究炉についても文部科学省の指示により、これら安全の取組が行われている。

昨秋の発電所耐震設計審査指針改訂に伴い、文科省は12月、試験研究炉の耐震安全性評価を設置者に指示した。これを受け原子力機構は3月28日までに、耐震重要度分類がなされているJRR―3、STACY(定常臨界実験装置)、TRACY(過渡臨界実験装置)、「常陽」、HTTRに関する耐震安全性評価実施計画を作成、同省に提出した。原子力機構では今後、これに基づき実際に評価を行うが、この他の施設についても耐震重要度分類が済み次第、実施計画書を作成し、評価を行うこととしている。

一方、昨今の電力会社における未報告事例を踏まえ、文科省は原子力機構の試験研究炉(発電用を除く)の自動停止に係わる報告もれ調査を行った。対象は、東海・大洗地区にある運転中の全施設、JRR―3、JRR―4、NSRR(原子炉安全性研究炉)、TCA(軽水臨界実験装置)、FCA(高速炉臨界実験装置)、常陽、JMTR、HTTRで、過去10年間について、運転日誌、聴き取り等により調査した。3月29日までに文科省に報告された調査結果によると、全施設で法令に基づく報告もれはなかったが、TCA、FCAでそれぞれ7、19件の記録もれなどが見つかった。


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