[原子力産業新聞] 2007年5月10日 第2378号 <1面>

日露協定交渉を開始 回収ウランの再濃縮など視野 東京で

日露原子力協力協定締結に向けた両国政府間の初協議が4月26日、都内で行われ、日本側から中根猛・外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長ら、ロシア側からウラジミル・クチノフ連邦原子力庁国際・対外経済協力局長らが出席し、今後の進め方、協定の内容について交渉を開始した(=写真)。2月末の安倍首相とフラトコフ・ロシア首相との会談での合意を受け、交渉開始に至ったもの。

日本とロシアは、91年に締結された行政取極に基づき、原子力分野の共同研究、専門家交流等の協力を実施してきたが、近年、ロシア側から核物質、原子力関連機材の移転に係わる枠組みも定めた包括的協定締結が打診されている。一方で、日本は、エネルギー安定供給の観点から、回収ウランの再濃縮、原子力産業の戦略的連携などの分野で、ロシアとの協力の可能性を目論んでおり、2月の甘利明・経済産業大臣とキリエンコ・ロシア原子力庁長官との会談で、ウラン探鉱・濃縮、原子力プラント関連事業等における今後の協力拡大で合意している。


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