[原子力産業新聞] 2007年5月10日 第2378号 <2面>

需給部会が改定作業開始 原子力の意見交換活発

総合資源エネルギー調査会需給部会(部会長=黒田昌裕・内閣府経済社会総合研究所長)は4月26日、第1回会合を開催、2010年及び30年の長期エネルギー需給見通しの改定作業を開始(=写真)した。今年度末を目途に報告書を取りまとめる。

同部会は05年3月に10年及び30年の長期需給見通しを示したが、今改定はその後の国内外の情勢変化に対応するもの。ちなみに05年見通しで、10年時点の原油価格は21ドル/バレルを想定していた。10年見通しは、京都議定書目標達成計画の見直作業も踏まえることになる。

今会合ではエネ庁が最近のエネルギー情勢などを説明。委員から原子力に関しては、「長期的に原子力発電の開発努力が必要」(内山洋司・筑波大院教授)、「高レベル放射性廃棄物処分場が決定しないと原子力立国計画が計画通りに進まないとの意見が増えており、この取組みが極めて重要」(木元教子氏)、「原子力はウラン価格が2年で10倍になる状況。発電所の稼働率引上げ、30年頃からのリプレース策の早期検討、国を挙げた高レベル廃棄物処分場への取組みなどが重要である」(田中知・東大院教授)、「京都議定書方式を守るとすれば徹底的に電化し、徹底的に原子力を導入すること、即ちフランス方式である。また原子力立国計画の施策に、欧米並みの科学的・合理的規制制度の導入を追加すべき」(勝俣恒久・電事連会長)などの意見が出された。


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