[原子力産業新聞] 2007年5月10日 第2378号 <2面> |
安全・保安部会 地震・津波WGも審議開始総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の耐震・構造設計小委員会地震・津波WG(主査=纐纈一起・東大地震研究所教授)は4月23日、初会合を開催した。中部電力・浜岡原子力発電所3・4号機の耐震安全性評価結果の基準地震動策定手法や津波に対する安全性の審議を開始するとともに、北陸電力の能登半島地震に関する志賀原子力発電所の耐震安全性確認も審議した。 浜岡では中部電力が基準地震動の策定方針、敷地周辺の地震に関する調査、敷地地盤の振動特性、検討用地震の選定、基準地震動Ssの策定などを説明。応答スペクトルに基づく手法によるSsの水平動最大加速度は800ガル、断層モデルを用いた手法によるSsは3種類作成し、同766ガルなどを示した。委員からはより最新知見の反映、周期10秒までの応答スペクトル解析などを求める意見が出された。 一方、志賀では「はぎとり波」の0.6秒前後の長周期の加速度が基準地震動の1.9倍の値を示したことなどが報告された。委員からは、これが地盤によるものかあるいは地震動の特性によるものかを分析する必要がある、基準地震動を過小評価しており正確な評価が必要、固有周期が長周期の施設への影響調査が必要、などの意見が出された。 同小委員会は3つのWGを設置したが、4月18日には地質・地盤WGも第1回会合を開催し、基礎地盤や周辺斜面の安定性などに関する審議を開始しており、今回の地震・津波WGの開催により、3つのWG全てが審議を開始した。 |