[原子力産業新聞] 2007年5月24日 第2380号 <1面>

電力各社が行動計画示す 設備総点検 スケジュール、検証の仕組みも明記

電力各社は21日、発電設備総点検を受けた再発防止対策に関して、具体的な行動計画を経済産業省に報告した。先月6日に提出した再発防止対策に対する国の評価を踏まえ経営責任者の関与、保安教育の徹底、アラームタイパーの記録保存、フリーアクセスへの協力、主任技術者の独立性、保安検査結果の説明への協力などを網羅。今後のスケジュール、検証の仕組みなどについても記載した。

東京電力は、02年の不正問題の際に示した「しない風土」「させない仕組み」に加えて、「言い出す仕組み」を掲げ、さらに充実・強化した再発防止対策をとりまとめた。コンプライアンス上の問題を掘り起こし、解決する仕組みを整備するため、本店に新設する法務室を中核とした、全職場からの法律相談を受ける「ヘルプライン」、反対に全事業所に赴く「出前法律相談」など、7月にもスタートさせる。

日本原子力発電は、昨年の「可燃性ガス濃度制御系流量の不適切な補正」への再発防止対策を充実・強化し、「新行動計画」としてとりまとめた。経営層と社員、発電所幹部と各室・グループの対話活動を継続・充実、「相談を習慣化させる」ことを定着させ、職場風土・安全文化の改善につなげる。

再発防止対策フォローについては学識者、弁護士等、外部アドバイザーを入れた第三者評価機能として、「発電設備点検指示に係わる調査・対策委員会」(東北電力)、「ご意見を聴く会」(中部電力)、「再発防止対策検討委員会」(北陸電力)、「コンプライアンス委員会」(九州電力)などを通じ、各社で実施状況の検証を年内に計画している。電力とともに大手メーカーも同日、行動計画を発表。調達先とのコミュニケーション「ビジネスパートナー交流会」の推進(日立)、「誤った顧客第一主義」の撤廃教育(東芝)、CSR向上取組の積極的発信(三菱重工)など、いずれもコンプライアンス・企業倫理を徹底する。


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