[原子力産業新聞] 2007年5月24日 第2380号 <1面>

「もんじゅ」 ナトリウム充てん開始 事故から11年半ぶり

日本原子力研究開発機構は23日、「もんじゅ」の二次冷却系へのナトリウム充てん作業を開始した。来月上旬に約660立方メートルの充てんを完了、これにより11年半ぶりに同冷却系にナトリウムが循環する。

充てんするナトリウムは事故以来、同冷却系から抜き取り、タンクに保管していた。系統は3ループありB、A、Cの順で作業、事故発生のCを最終とする。

05年9月から開始した改造工事では、事故原因となった温度計について、さやの長さを従来に比べ約40%短縮し11cm(制御用)とし、形状もテーパ状の改良型に交換、本数も従来の48本から42本に削減した。併せて、@漏えい発生を早期に確実に検知するシステムの各部屋への設置Aナトリウムの抜き取り時間を短縮し、漏えいを早期に停止にするためのドレン配管の改造B燃焼による影響を抑制するための窒素ガス注入機能の追加、断熱材やヒートシンク材の設置――などを実施した。

機構はナトリウム充てんにより、漏えい対策として設置した機器の性能や機能を確認する工事確認試験を実施。その後、一次主冷却系循環ポンプ運転、制御棒駆動装置運転、燃料交換などのプラント確認試験を経て、来年5月頃には原子炉再起動の準備を終える予定。


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