[原子力産業新聞] 2007年5月24日 第2380号 <2面>

安全委に 北陸電力社長が説明 再発防止策全力で

原子力安全委員会は17日、永原功・北陸電力社長から、志賀1号機臨界事故に係わる再発防止対策の取組状況について報告を受けた(=写真)。 経済産業省の臨界事故調査報告を受け、同委員会は先月23日、重要な事象の隠蔽が二度と起きぬよう、事業者が立案する具体策について、経営責任者から早期に意見聴取するとの方針を示している。

永原社長は、安全委に続き、高市早苗・科学技術政策担当大臣を訪問し、不適切事案に対する反省の意と、今後の信頼回復への決意を示した。

「隠さない企業風土作り」と「安全文化の構築」を二本柱に据えた抜本的な再発防止対策を永原社長は説明し、「二度と起こさぬ」ことを繰り返し強調した。原子炉主任技術者の地位と権限の強化については、事故当時は物を言いにくい位置付けにあったと振り返り、今後は経営幹部として発言力を高める方策が示されたが、「組織体制に関係なく専門職であるべき」「主任技術者の役割を社会に見える形で示すことが安心につながる」といった意見が委員からあがった。

また、永原社長は、地域と一体となった事業運営に向け、「原子力本部」を志賀町に設置するなど、「地域に溶け込む」ことを重点に、原子力関係組織の再構築を図っていく考えを述べた。


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