[原子力産業新聞] 2007年5月24日 第2380号 <3面>

チャペルクロス 冷却塔を爆破解体 英マグノックス炉 廃止措置の一環

マグノックス炉の廃止措置を請け負っているブリティッシュ・ニュークリア・グループ(BNG)は20日、チャペルクロス原子力発電所の冷却塔を爆破解体した。スコットランドにおける原子力発電所のシンボルだった4基の冷却塔は、50kgの爆薬により、わずか10秒足らずで2万5,000トンのガレキの山と化した。

BNGによると、「原子力発電サイトでの爆破解体作業としては世界最大規模」だという。同サイトでは今後、ガレキの撤去作業、鉄筋とコンクリートの分離作業、敷地回復作業が実施される。原子炉建屋なども、2018年までに解体撤去される予定だ。

チャペルクロス発電所は、スコットランド初の原子力発電所として1959〜60年に全4基(出力各6万kW)が営業運転を開始した。

マグノックス炉を所有・運転していた英原子燃料会社(BNFL)は2000年5月、全21基のマグノックス炉を閉鎖する計画を発表し、チャペルクロス発電所は04年6月に閉鎖された。

出力が小さいことや、長期安定を保てない金属燃料であることなどから、経済性が低く、また経年劣化も激しくなってきたことなどが理由だ。

最近では昨年末、ダンジネスA発電所(28万5,000kW×2基)とサイズウェルA発電所(25万kW×2基)の計4基のマグノックス炉が閉鎖されている。


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