[原子力産業新聞] 2007年5月24日 第2380号 <4面>

学術会議 基礎科学の役割踏まえ提言 大型計画とボトムアップ研究の壁を払う

日本学術会議の関連部門有識者からなる合同委員会(委員長=海部宣男・放送大学教授)はこのほど、対外報告「基礎科学の大型計画のあり方と推進について」を発表した。

本報告ではまず、これまでボトムアップ型の基礎科学研究を支えてきた大学などの大型設備の新設が、国立大学特別会計廃止により、困難になっている現状をあげた。

一方で、産業創出・社会貢献への期待から、SPring―8、地球シミュレータ、深海掘削船「ちきゅう」、国際宇宙ステーションなど、「トップダウン型を主とする国策的大型施設」を含む大型研究システム・推進方策の構築が求められていると指摘している。

その上で、@基礎科学大型計画に係わる長期的マスタープラン・推進体制の確立Aボトムアップ型と国策的大型研究の係わり・協力と将来のあり方――に具体的に取り組み、ボトムアップ型研究と国策的大型計画との壁を取り払い、両者の利点を活かしつつ、日本の科学の強力な推進を図ることの必要性を訴えている。


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