[原子力産業新聞] 2007年5月24日 第2380号 <4面> |
電工会 殺菌方法で食品業界等調査 加速器まだ関心薄い日本電機工業会・加速器専門委員会は、将来、食品・医薬品および関連業界が滅菌・殺菌処理で加速器などを使用する可能性があるかどうかについて、全国の主要事業所に向けて行ったアンケート調査の結果を発表した。その結果は、現状の滅菌・殺菌装置の使用満足度は高く、加速器についての関心は今のところ薄いとの実態が明らかとなった。 調査対象は食品製造業、医薬品製造業、医療機材製造業、衛生材料製造業、包装材料製造業などの従業員100人以上の企業で、昨年末に調査票の配布・回収を行った。2,318社に調査票を配布し、何らかの回答があったのは210社。調査内容は、滅菌・殺菌処理状況、装置の導入理由、装置の稼働率、装置の更新予定、ガンマ線処理など「電磁波等」に対するイメージなどを聞いた。 滅菌・殺菌処理の方法分類としては、@「温度関連」として高温処理、焼却処理、乾熱処理、高温高圧処理、煮沸・熱湯消毒A「電磁波関連」として電子線処理、エックス線・ガンマ線処理、紫外線処理、パルス光処理B「その他」としてろ過処理、高圧・真空処理、光触媒反応、ガス処理、殺菌剤・殺菌消毒薬――と3分類した。 分析を行うに当たって回答数が少ないため、「回答結果には注意を要する」と注意を促している。 食品製造業での滅菌・殺菌の処理状況は、「社内で実施」が8割を超えている。処理方法は、前処理工程では「温度関連」が75%、製造工程で「温度関連」が94%、「電磁波関連」が1.9%、検査出荷工程では「温度関連」が88%となった。装置の更新計画については、「当面、更新する予定なし」が83%、「数年以内に更新予定」「新システム導入予定あり」が各1.7%となっている。 電子線を発生させる加速器の認知度については、「医薬品製造業」が79%の認知度(知っている+名前は聞いたことがある)、「医療機材製造業」が63%、「食品製造業」が46%と続いた。 |