[原子力産業新聞] 2007年5月24日 第2380号 <4面>

新刊抄 「電力産業改革の多面性─アジア諸国とベトナムのケースに関する戦略的分析」 グエン・ティ・グォック・マイ著

著者のマイ氏は、04〜05年度にベトナム電力公社から関西学院大学に留学し、この英文の書によって同大学から経済学博士号の学位を授与された。

先進国で実行されてきた電力自由化政策は、中東欧やラテンアメリカでも採用され、90年台にはアジア諸国にも波及してきた。アジア諸国のほとんどの国が電力改革の遂行に高い優先順位を与えているものの、自国での資金調達が困難であるために、他国企業に依存せざるを得ない状況にある。

本書はアジア18か国・地域の電力産業を対象に「民営化」「競争」「規制」の観点から実証的に考察し、最終的に祖国ベトナムに焦点を絞り、長期的な視点から電力改革の政策運営についての具体的な指針を導き出している。

第T部「電力産業改革の本質的局面」、第U部「アジア諸国の電力産業改革モデル」、第V部「多面的電力産業改革――ベトナムのケースに関する戦略的分析」の3部構成。出版社は関西学院大学出版会(兵庫県西宮市)、定価6,000円(税別)。


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