[原子力産業新聞] 2007年5月31日 第2381号 <1面>

核融合研が開所式 六ヶ所村 ITER関連の拠点

自然科学研究機構・核融合科学研究所(岐阜県土岐市、NIFS)は28日、「六ヶ所研究センター」の開所式を青森県六ヶ所村で行った(=写真)。同村で建設される国際核融合エネルギー研究センターと連携して研究するための拠点として活動する。

国際核融合エネルギー研究センターは国際熱核融合実験炉(ITER、仏カダラッシュに建設)とともに先進的核融合研究開発を行うため、日欧が「幅広いアプローチ(BA)」活動の一環で設置するもので、ITER遠隔実験センターや核融合計算センターなどで構成される。

核融合研は核融合に関する大学共同利用機関であり、六ヶ所研究センターを拠点として当面は、広報活動、関連情報の提供などを行っていくが、将来的には計算センターに設置されるスーパーコンピュータを使って磁場閉じ込めやプラズマの大規模シミュレーション研究の中核となることが期待されている。初代センター長には津田健三特任教授が就任した。

開所式では、本島修・核融合研所長の挨拶の後、地元青森県選出の大島理森・衆院議員(元科学技術庁長官)が祝辞を述べ、「日本中の核融合に係わる最高の知が集まる。人類のための貢献の場がふるさとにできることは意義深い」と同センターの意義を強調するとともに、「ここに核融合炉を作ることが夢だ」との考えを披露し、次段階の原型炉への夢を語った。

BA活動に関する日欧協定は6月中にも締結される予定。総経費920億円を日欧半分ずつ負担して、約10年かけて六ヶ所村にエネルギー研究センターを建設して研究、さらに茨城県那珂市でJT―60を改修しITERのサテライト・トカマク研究が実施されることになっている。


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