[原子力産業新聞] 2007年5月31日 第2381号 <2面> |
文科省部会 J−PARC運営で 報告書骨子案を審議文部科学省の大強度陽子加速器計画評価作業部会(主査=井上明久・東北大学総長)は22日、第8回会合を開催し、報告書骨子案を審議した。 同作業部会は来年度からの供用開始を目指しているJ−PARCの運営、利用体制などの検討を進めている。 骨子案はまず計画の進捗状況について、現在約7割の施設が完成、リニアックは所期のエネルギーまでのビーム加速に成功するなど、順調と評価。リニアックを当初計画の性能までに引上げることが最優先課題であり、来年度からの作業着手は適切とした。また、各U期計画も重要であり、核変換は原子力委員会などの評価を踏まえて進め、50GeVシンクロトロン用フライホイールは適切な時期に再度レビューするとした。 運営体制では、「J― PARCセンター」の設置を評価、円滑な利用体制では成果公開課題の利用の原則無償も妥当とした。物質・生命科学実験施設では産業利用のニーズを掘り起こし、多くのユーザーが利用を希望する場合には供用促進法の適用など、国の対応が求められるとした。 電気料金70億円、装置保守費53億円など合計180億円以上と想定される年間運転経費については、今回の会合でも「機構の運営交付金から出すことは困難」、「直ちに供用促進法を適用することは困難」、「国は経費支援の意志を示すべき」、「運転経費を確保する新しい枠組みが必要」などの意見が出された。 |