[原子力産業新聞] 2007年5月31日 第2381号 <2面>

安全保安院 JMTRを安全研究でも活用

総合資源エネルギー調査会の原子力安全基盤小委員会(委員長=大橋弘忠・東京大学工学系研究科教授)は8日、安全基盤研究施設の今後の取組について審議、その中で、原子力安全・保安院は、日本原子力研究開発機構の材料試験炉(JMTR)などを「戦略的に重要な安全基盤研究施設」に位置付け、積極活用する方策を打ち出した。

軽水炉の高経年化、燃料高度利用に伴う今後の安全研究課題に対応し、原子力機構は、JMTR、原子炉安全性研究炉(NSRR)、大型非定常試験装置(LSTF)等を用いた各種試験データ取得を通じ、知見の蓄積に努めており、国際的にも高く評価されている。現在、JMTRは、軽水炉利用長期化対策、産業利用拡大、科学技術力向上での将来の活躍に向け、11年度再稼働を目指した改修に入りつつあり、LSTFも、次世代軽水炉の安全評価に資するOECD/NEAのROSAプロジェクトで第2期協力要請を諸外国から受けている。これらをとらえ、原子力機構は、軽水炉安全研究施設基盤の整備・活用の必要を同小委員会に訴えた。

保安院は、@国際的貢献A人的・技術的基盤の強化と原子力政策推進B財政的・人材的に維持運営困難――の観点から、同機構の所有するNSRR、JMTRなどを「戦略的に重要な安全基盤研究施設」と位置付け、産業界の積極的利用、学協会による研究開発ロードマップを策定。これを踏まえた実施機関による研究施設活用戦略作りなどを促す考えを示した。


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