[原子力産業新聞] 2007年6月7日 第2382号 <2面>

唐澤氏がASME理事に就任 日本人で初めて

米国機械学会(ASME、本部・ニューヨーク)の最高位理事会の理事に、日本人で初めて唐澤俊樹・東京電力原子力設備管理部部長(規格基準担当、=写真)が就任した。

ASMEは火力から原子力設備の安全な設計、建設、保守、審査のための規格・基準体系をボランタリーベースの委員会活動を通じて築いてきた学会で、いまでは世界130か国の産学界から約3,300人の選ばれた専門家で構成され、会員数は12万5,000人を擁する権威ある学会だ。

1880年に設立された同学会の組織は現在、約600の委員会と8つの専門理事会があり、その上で最高位理事会が統括する。約20人の理事のうち外国人は唐澤氏1人。 約500の規格・基準・指針類を発行し、特に「ボイラーおよび圧力容器」の規格であるセクションV(設計)、同Xl(維持)は有名。

我が国でも、1980年から25年間使われてきた経済産業省の告示「発電用原子力設備に関する構造等の技術基準(告示501号)」はASMEの規格・セクションU(材料)、同Vが規範になっていた。

唐澤氏はこの告示501号の原案作成作業にも若くして参画、97年から04年までの7年間は、ASMEの国際基準理事会の理事も務めた。

唐澤氏の最高位理事会理事の任期はこの6月から10年6月まで。就任に当たって同氏は「国際貢献を通じて、我が国の原子力発電の発展につながることを願い、また、若者に夢と希望が与えられれば嬉しい」と語っている。

国際的に権威ある学会活動を通じて、最新の技術的知見が常に入手でき、日本の意見も反映されることが期待されている。


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