[原子力産業新聞] 2007年6月14日 第2383号 <2面>

量子ビーム作業部会が中間報告 「横断的利用促進を」

文部科学省の量子ビーム研究開発作業部会(主査=井上信・京都大学名誉教授)は5月28日、中間報告「横断的利用の促進と先端的基盤研究開発の推進」をとりまとめた。

今報告はJ―PARCなどの利用を控え、複数の量子ビームの使い分けや相補的利用の効果・期待から、横断的利用の意義を述べ、利用しやすい体制整備を訴えた。

昨年の同作業部会報告では量子ビームプラットフォーム構想が打ち出されており、必要な機能として、研究計画立案・実験の支援、人材育成、各種施設横断的連携などを掲げている。

今回とりまとめでは、ビームによりユーザーの成熟度が異なり、各施設でも産業利用の取組が強化されつつある現状を踏まえ、これら機能の一部分について試行的に実施されることが適当とした。

人材では経験者の活用、サイエンスと産業利用の分野の協力体制を重要とみて、企業等の退職者と若手研究者による専門コーディネーターチームを一例にあげている。

報告書は結びに、量子ビーム技術は、「みる」「つくる」「なおす」手段として、産業界の基盤を支えるとともに、先端的科学技術を先導する有効なツールであり、その利用拡大と先端基盤技術開発を車の両輪に据え強化していくことを訴えた。


Copyright (C) 2007 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.