[原子力産業新聞] 2007年6月14日 第2383号 <4面> |
原子力安全委員会 P・BWR事業者から取組聴取原子力安全委員会は5月28日、BWRプラントの電力、メーカー計9社からなる「BWR協議会」(JBOG)から、4日にはPWRプラントの電力5社と三菱グループからなる「PWR事業者連絡会」から、トラブル情報の共有活動について、報告を受けた。 JBOGは、BWRプラントの安全性、信頼性の向上に向けた技術的検討を行う枠組みとして、昨年4月に発足したもの。この日、JBOG事務局から、武藤栄・東京電力執行役員らが説明した。 JBOGは、全体方針を決定するステアリング会議のもと、技術課題ごとに、「点検資機材WG」「トラブル情報・信頼性向上WG」「保全/中長期工事計画WG」の3WGが置かれている。トラブル情報WGでは、原子炉再循環系配管の超音波測定技術の改善、配管減肉管理などを検討しているほか、このほど問題となった「プラント停止中における予期せぬ制御棒の引き抜け事象」については、3月中に作業部会を立ち上げ、各社の再発防止対策の抽出等を開始した。今後の電力会社の対応として、水圧ラインの弁操作手順書の改訂を速やかに進め運用に入ること、設備面では、水圧ラインの圧力変動警報「高」「低」のうち、制御棒抜けで重要となる「高」側の分離・明確化を至近の定期検査で完了することなどを確認した。また、プラント停止中の作業についても、今年度中にJBOGで検討し、必要な対応を図ることとしている。 委員から「国際的にプラントを多く有する米国との共通課題検討は」「PWR事業者との交流は」といった意見があったのに対し、JBOG側は、電気事業連合会の「故障トラブル情報検討会」にBWR、PWRの両事業者が参画していることなどを述べた。 安全委員会は発電設備総点検報告を受け、事業者からの取組聴取を早急に行う方針を示している。 |