[原子力産業新聞] 2007年6月21日 第2384号 <2面>

原産協会・検討会WG2 高温ガス炉導入シナリオ示す 自動車向け水素供給など

原産協会はこのほど、「高温ガス炉の導入シナリオおよび研究開発ロードマップの検討」と題する高温ガス炉将来展開検討会WG2(リーダー=松井一秋・エネルギー総合工学研究所理事)の報告書を取りまとめ、公表した。高温ガス炉の用途や将来展開の可能性について、社会に広く知ってもらうことを目的としている。

導入シナリオの検討では@燃料電池自動車向け水素供給Aコンビナート向け自家発電と蒸気供給B青森県が提唱している構想である「水素タウン」向け水素・電力・熱供給――に高温ガス炉を利用しようと考えている。

高温ガス炉の導入で、日本の燃料サイクルに適合できるかどうかを検討した結果、我が国の燃料サイクル政策から逸脱しないことが確認できた、としている。

研究開発のロードマップでは、最も早い時期の導入が想定されるコンビナートでの利用を想定した場合、2020年代に実証炉の運用が想定されるとし、このため、15年程度までには実証炉に必要な技術開発を終了し、安全審査に対応する必要がある、と述べている。

また、このスケジュールは、我が国が国際的にも高温ガス炉の技術開発の分野で世界を主導するために必要なものだ、としている。


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