[原子力産業新聞] 2007年6月28日 第2385号 <1面>

新むつ小川原計画策定 閣議で口頭了解 「科学技術創造圏」めざす 青森県六ヶ所村

青森県が作成した「新むつ小川原開発基本計画」が22日の閣議で、口頭了解された。

「世界に貢献する新たな『科学技術創造圏』の形成を目指して」と題する基本計画は、1972年の第1次基本計画、75年の第2次基本計画、そして85年に計画の修正として原子燃料サイクル施設立地を中心に据える変更がなされてきた。

新計画は前修正計画から22年経過しており、従来の大規模工業地帯中心の開発に代えて、原子燃料サイクル関連産業や国際熱核融合実験装置(ITER)の関連研究施設、液晶産業、風力発電施設などの立地で、「科学技術創造圏」の形成をうたいあげている。

「むつ小川原開発区域」として約5,180ヘクタールを指定し、環境、エネルギー、科学技術の分野で研究開発機能の展開と成長産業等の立地展開を図るとともに、森と湖に囲まれ、アメニティあふれる新たな生活環境を整備し、多様な機能を併せ持つ、世界に貢献する新たな区域を目指すとしている。

今後さらに、広範なユーザーが利用可能な東北地方にはいまだに立地していない「放射光施設」を立地する意義も強調している。

同開発を所管している冬柴鉄三国土交通相は閣議後の記者会見で、「地域の主体的取り組みへの支援を含めた国として推進すべき措置を講じる旨の閣議口頭了解を得た」と述べた。

三村申吾青森県知事は、「国としての位置づけを明確にしてもらい、感謝する。関係機関と連携し、さらなる展開を図っていく」とのコメントを発表した。


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