[原子力産業新聞] 2007年6月28日 第2385号 <2面> |
J−PARC インドがビームライン設置を検討 視察団、インド科技庁に助言原子力委員会の国際問題懇談会は22日、第4回会合を開催し、引続きインドとの関係について、関係機関からヒアリングした。この中でJ−PARCセンターの新井正敏・研究主席は、インドが物質・生命科学実験施設にビームライン(BL)の設置を検討していることを明らかにした。 インドは今年に入ってJ−PARCの利用を本格的に検討しており、3月にインド物質科学国際先端研究センター所長を中心とする視察団がJ−PARCを訪れるとともに、4月には日本側がインドを訪れ、ラジャ・ラマンナ先端工学センター(RRCAT)、バーバ原子力研究センター(BARC)、インド科学技術庁(DST)などにおいてJ−PARCの概要を説明した。 新井研究主席は、視察団はJ−PARCにBLを設置すべきとDSTに助言した模様と説明。併せて、J−PARCを国際公共財として国の区別なく研究者を受入れる施設とするとの観点から、インドからBL設置などの協力要請があれば、その有用性や必要性について検討したい、との考え方を示した。 インドの中性子ビーム利用は、天然ウラン燃料の実験炉(Dhruva)の実験装置とともに、英国ラザフォード・アップルトン研究所のISIS施設に英国などと協力し実験装置を有する。 今回の会合では、このほか外務省が最近のインド情勢と日印関係、経産省が核関連貨物・技術の安全保障貿易管理について説明するとともに、日本国際問題研究所軍縮・核不拡散センターは日印原子力協力と核不拡散の考え方を示した。 同センターの戸崎洋史主任研究員は、もし同協力を進めるとするなら、インドによる核兵器廃棄という目標に向けた施策であることを明確にし、包括的核実験禁止条約(CTBT)の署名・批准、兵器用核分裂性物質生産の凍結などが条件になるとした。 |