[原子力産業新聞] 2007年7月5日 第2386号 <1面>

原子力委に電事連が省令改正で要請 現場の硬直化に配慮を

原子力委員会は3日、原子力安全・保安院と電気事業連合会から、発電設備の総点検に関する今後の対応の報告を受けた。この中で電事連は、同点検結果を踏まえ保安院が示している省令改正案に関し、省令に細かいレベルまで規定することは、現場の硬直化を招き改善意欲を弱めるとして、個別条文の考慮を要請した。

改正案は、「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」の一部に関するもの。保安院は来年度からの新検査制度の施行に向け、現在その詳細を検討中だが、同点検結果を反映すべき事項で、早期に実施できるものは実施したいとして、先月、改正案をパブコメに付した。改正案は今月公布、9月施行を予定する。

電事連は改正案について、「現場運営の観点から懸念される部分がいくつかある」と指摘。真に改正が必要で効果的な事項のみを盛込むべきと要請。具体的事項として重要度に応じた作業手順書等の管理、メーカーや電力間の情報共有における知的財産に関する制約への配慮、「適切な」や「適正な」など現場の混乱につながる記載の削除などを挙げた。


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