[原子力産業新聞] 2007年7月12日 第2387号 <1面>

三菱重工とアレバが覚書 中型炉開発で合弁会社 資本金、出資比率などは今後

三菱重工業とアレバグループは10日、中型の新規原子力発電プラントの共同開発およびマーケティング実施のための合弁会社の設立に向けた覚書に、佃和夫社長とロベルジョン会長がパリで署名した。両社は、9月末までの合弁会社設立を目指し、資本金や出資比率、本社所在地など具体的な検討を進める。

両社は昨年10月の原子力分野協調での合意に基づき、本年4月、出力110万kW、3ループの第3世代PWRを共同開発することを決定している。

今回の覚書により、安全面では航空機落下に対する抵抗力・耐久性を持ち、環境対策面では使用済み燃料・廃棄物発生を低減、経済性・効率性の観点からは長期連続運転のための燃料サイクル長期化への対応やMOX燃料の使用能力を備えるなど、両社の得意とする技術的特徴を盛り込む原子炉を開発することとした。この共同開発炉は、電力需要や送電網などの条件から、中型炉に適した地域向けに設計される。

一方、三菱重工業は5日、米国向けに市場投入を進めている170万kW級原子炉「US―APWR」に関する米NRCへの炉型標準設計認証申請を、年内に行うことを改めて原子力安全委員会(日本)に報告した。


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