[原子力産業新聞] 2007年7月12日 第2387号 <3面>

ブラジル アングラ3を建設再開 大統領が正式決定

ブラジルのL.I・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領は10日、アングラ3号機(PWR、135万kW)の建設再開を盛り込んだ原子力開発計画を承認した。関係閣僚で構成される国家エネルギー政策審議会(CNPE)は先月25日に、同機の建設再開を承認しており、大統領の最終判断が待たれていた。

N.ヒュブナー鉱業・エネルギー大臣代行(S.ロンドウ大臣は今年5月にスキャンダルで辞任)によると、建設資金は約37億ドルで、2013年の運開を目指すという。

アングラ3号機は、独シーメンス発電事業部(KWU)を主契約者として、1975年に発注された。サイト準備工事を実施し、7億5,000万ドル相当の資機材も調達されていたが、1980年代の経済不況により建設作業は中断されている。すでに同機の建設再開計画に、旧西独のKWUを傘下に収めた仏アレバ社が強い関心を示しているようだ。

経済が好調なブラジルでは今後、年率4.5%の経済成長率が予測されている。電力需要は、2015年までに現在の65%増となると考えられている。

ブラジルではアングラ1、2号機(PWR、1号機65万7,000kW、2号機135万kW)が運転中で、2006年の原子力発電電力量は137億6,941万kWh。総発電電力量に占める原子力発電シェアはわずか3.3%に過ぎない。発電設備は水力発電が主流で、2001年の深刻な渇水以来、電源構成の見直しを余儀なくされている。


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