[原子力産業新聞] 2007年7月19日 第2388号 <2面>

エネ調需給部会 エネ戦略に沿う需給の姿を検討 目標と戦略と姿の政策体系示す

総合資源エネルギー調査会の需給部会(部会長=黒田昌裕・内閣府経済社会総合研究所長)は12日、第2回会合を開催、2030年のエネルギー需給見通し改定の考え方などについて審議した。

エネ庁は今改定では、新・国家エネルギー戦略に掲げる原子力立国計画を含む4つの戦略目標を基に、これらの整合性や実現性を考慮したいくつかの政策シナリオを抽出し、各シナリオにおける需給の姿を検討するとの方針を提案、同部会もこれを了承した。

新・国家エネルギー戦略は昨年5月に策定、2030年までの戦略目標として、@省エネフロントランナー計画(最低30%の効率改善)A運輸エネルギーの次世代計画(石油依存度80%程度)B新エネイノベーション計画C原子力立国計画(原子力発電比率30〜40%程度以上)――を掲げた。これを基に今年3月にはエネルギー基本計画が策定されている。

今回の需給見通しの改定では、需給構造と密接に関連する4つの戦略目標について、整合性や実現性を考慮した複数の政策シナリオを描くが、この際、今年4月に取りまとめた「技術戦略マップ2007」から対応技術を抽出、これら技術の導入普及を定量的に評価し反映させる。これにより戦略目標を技術戦略に基づいて実現する姿(30年エネルギー需給見通し)を描くことになり、目標と技術戦略と姿が整合的に結ばれた政策体系を示すことになる。

原子力でも軽水炉高度化利用、廃止措置技術、次世代軽水炉、遠心法ウラン濃縮、MOX燃料加工、FBR関連技術、放射性廃棄物処理処分など幅広い技術が抽出対象となる。

エネ庁では、こうしたシナリオの素案を今年末から来年初めには示すとしている。なお同部会は次会合から、京都議定書目標達成計画の見直作業も踏まえた2010年見通しを議論する。


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