[原子力産業新聞] 2007年7月19日 第2388号 <2面>

原子力委・政策評価部会 森・薩摩川内市長などが意見 交付金配分のガイドライン求める

原子力委員会の政策評価部会は11日、国民・地域社会との共生に関する第4回会合を開催、全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)、原子力発電関係団体協議会(原発協)などから意見聴取した。

全原協からは森卓朗副会長(鹿児島県薩摩川内市長)が出席。事業者の積極的な情報公開、電源開発促進税の一般会計直入の見直し、電源三法交付金や核燃料税における市町村配分を明記した国のガイドライン作成などを要請した。

森市長は原子力発電事業の透明性確保に関し、「九州電力は適確に対応していると思う」とした上で、事業者の積極的な情報提供の継続を要請。併せて「信頼関係が崩れれば、いくら情報を提供しても信用は得られない」とした。反対派の人には自らが直接会うという同市長は、広聴・広報に関し、国の広聴活動拡充の具体策が見えないとするとともに、消費地における立地地域への理解促進活動を求めた。

また、国の保安検査官の異動時期が早過ぎ引継ぎに時間を要する、川内の地域広報官が未配置であることも指摘した。

地域共生では、地域振興特別措置法に基づく振興計画原案の市町村による策定、特例措置対象事業の拡大、補助割合の嵩上げ率の引上げなどを要請。併せて事業者の原子力関連地元企業の育成、研究開発機関などの新設による共生策も検討すべきとした。

原発協からは会長県である宮城県の佐藤信俊・原子力安全対策室長が出席。各県における原子力広報事業の状況を説明するとともに、安全性に対する地元の関心は極めて高く、広報活動では、トラブル等の発生時に即応性のある広報が強く求められると指摘した。

このため、国はトラブル等の際にその内容や影響について、専門家が迅速に分かり易く、住民や地元マスコミなどに情報提供する体制を構築して欲しいと要請した。

また、今会合に有識者として出席した地方公務員共済組合連合会の松本英昭・理事長は、交付金制度について、「その使途について、地元住民からの要望を押さえつけた場合、反発は強い」とした。電力供給地域として、地元住民が誇りを持てるように消費地も含めた広報、教育活動が必要と強調。併せて現行制度に加え、立地地域と消費地域の電力料金により大きな差をつけることを検討できないかとも提案した。


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