[原子力産業新聞] 2007年7月26日 第2389号 <1面> |
柏崎刈羽 地震で原子力委に報告 重要度A機器の損傷なし 目視と炉水分析で確認東京電力は24日、原子力委員会に同日現在の新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所への影響などについて報告した。この中で東電は、これまでの目視点検などでは、安全上重要な設備の損傷は確認されていないことなどを報告した。(2面に関連記事) 東電は被害状況を説明するとともに制御棒、原子炉冷却系統設備、原子炉格納容器などこれまで行っている重要な設備の目視点検では損傷を認めていないとした。 地震の際に柏崎刈羽の2〜7号機には燃料が装荷されていたが、同社では原子炉内の水も分析、このデータ上においても燃料に損傷は認められないと発表している。 今後、詳細な調査を実施するが、最大で設計値の3.5倍の加速度を記録したものの、設計上の余裕度があり、重要度Aクラスの施設では現在までに損傷を確認していない。現在、圧力容器内部などの検査方法を検討している。 このほか6号機の使用済み燃料プール水の漏洩は、揺れでプールから溢れた水が燃料交換機のケーブルなどを伝い、非管理区域に滴下し発電所外に出たと推定。7号機主排気筒からのヨウ素などの検出は、自動停止操作過程で復水器内に滞留したヨウ素などが排風機に吸引され、放出されたもので、すでに18日以降、放出は検出されていないと報告した。 原子力委員からは特に、地震発生直後から現地で迅速かつ的確な広報活動を行うべき、との意見が多く出された。 |