[原子力産業新聞] 2007年7月26日 第2389号 <1面>

甘利大臣 調査対策委を設置 委員長に班目氏

甘利明・経産相は24日、閣議後の記者会見で中越沖地震の原子力発電所への影響調査について、「中越沖地震における原子力施設に関する調査対策委員会」を、総合資源エネルギー調査会の原子力安全・保安部会の下に設置することを明らかにした。委員長には同部会の検査の在り方に関する検討会の委員長を務める班目春樹・東大院教授が就任し、第1回会合を早期に開催することで日程調整している、とした。

また同日、泉田裕彦・新潟県知事が上京し会談した際、言及があった風評被害については、「分かりやすく説明することに心がけてきたが、日常生活で国民が平均的に被ばくする量に比べ、排気筒からの量は100万分の1の単位、放出した水の量では10億分の1程度だ」と説明し、「だから野菜を食べようと魚を食べようと、全く何の影響もない」と強調した。

一方、来年から京都議定書の目標達成期間が始まるため、今回の地震の影響で柏崎刈羽原子力発電所が長期停止した場合の影響度を聞かれて大臣は、「部分的にある。立ち上がりがずれ込む分だけ当然影響がある。国民運動とかオフィスや家庭、運輸など個別の政策を各省と協力して深掘りしていくことになる」との考えを示した。


Copyright (C) 2007 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.