[原子力産業新聞] 2007年7月26日 第2389号 <6面>

三菱重工 原子力事業を10年後3倍に 中国現地企業と合弁等も具体化

三菱重工業は23日、報道関係者などに対し原子力事業の説明会を開催し、@同事業の売上を現状の年間2,000億円から10年後に同6,000億円程度に拡大するA中国市場への取組み強化のため、中国企業との合弁会社設立やライセンス供与を1年以内にも実施するBフランス・アレバ社と共同開発の中型戦略炉は今後2、3年を目途に市場投入する――などを明らかにした。

説明会には浦谷良美・常務原子力事業本部長らが出席。国内原子力事業の重点施策として、@泊3号機、敦賀3・4号機、川内3号機の建設推進や具体化A予防保全を中心としたアフターサービス事業の拡大B高燃焼度化、MOX燃料など燃料関連事業の拡大CFBR開発のグローバルなリード――など。同じく海外事業では、@「US−APWR」の拡販Aアレバ社との共同開発機種の早期市場投入B南アフリカ政府とのペブルベッド型原子炉の開発C蒸気発生器をはじめとする主要機器の輸出拡大DGNEPへの積極提案――などを挙げた。

国内で3基の建設、「US−APWR」の拡販、中型戦略炉の投入などにより、中長期的に年間2基程度のペースで新規プラントを建設するだけの受注を目指す方針で、燃料ビジネスの拡大も含め、10年後には現在の事業規模を3倍に拡大する予定。「US−APWR」はテキサス電力から2基の受注が決定しているが、後続案件が多く来ているという。

一方、中国政府による原子力発電プラントの国産化に対応し、すでに複数の中国企業と合弁会社の設立やライセンス供与の交渉を進めており、1年以内には合意できる見通し。圧力容器、タービンなど主要機器で複数の現地企業と提携する可能性があるとした。


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