[原子力産業新聞] 2007年8月2日 第2390号 <2面>

産構審・合同会合が中間報告案審議地震の影響懸念多く

産業構造審議会地球環境小委員会(委員長=茅陽一・地球環境産業技術研究機構副理事長)と中央環境審議会地球環境部会(部会長=鈴木基之・放送大学教授)は7月25日の合同会合で、「京都議定書目標達成計画」(05年閣議決定)の評価・見直し中間報告案を審議した。

来年度からの京都議定書第1約束期間での施策につなげるべく、年内を目途に目標達成計画の見直しを図るが、エネルギー起源COの対策については、新潟県中越沖地震に伴う原子力発電所停止の影響に関する意見もあった。

今回の地震による東京電力柏崎刈羽発電所の被災について、会合に出席した森本宣久・電気事業連合会副会長は、「設備点検、現状調査を懸命に行っているが、これまでのところ運転再開の見通しが判然としない」と状況を説明した上、CO排出への影響については、「何とも言えないが、火力発電の効率向上、新エネ開発など、ありとあらゆる努力を尽くす」と述べた。

委員からは、「温室効果ガス排出削減に重大な影響。55基の原子力発電所をいかに有効に利用するか」など、原子力発電所停止を現実的に踏まえた目標達成計画策定を求める声が多数あった。

中間報告案では、05年度の温室効果ガス排出量は13億6,000万トン―CO、基準年比7.8%増で、地球温暖化対策の進捗は「極めて厳しい状況」との評価を示した。仮に原子力発電所が長期停止の影響を受けなかった(設備利用率約84%)とすると、同5.5%増に留まったとも試算している。

エネルギー起源COは同12億300万トン―CO、13.6%増となった。

エネルギー起源COの対策は、産業界が自主行動計画を策定しフォローしているが、発電量ごとの排出原単位のみを目標指標としている電気事業に対しては、排出量についても併せて指標とするよう中間報告は示唆した。


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