[原子力産業新聞] 2007年8月2日 第2390号 <3面> |
米国 ユニスター 原子力発電所の新規建設に向け 初のCOLを分割申請米原子力規制委員会(NRC)は7月25日、ユニスター・ニュークリアが同13日、カルバートクリフス・サイトにUSEPR1基を新規建設するための環境影響評価書をNRCへ提出したことを明らかにした。同評価書は、建設・運転一体認可(COL)申請書を構成する一部。分割申請だが、原子力発電所を対象としたCOL申請としては米国初となる。 NRCは、5,900ページに上る環境影響評価書の精査を開始しており、問題が無ければ正式なレビュー手続きに入る。レビューのプロセスについて協議する公聴会は、今月14日に開催される予定だ。 ユニスター・ニュークリアは、米国で原子力発電所の新規建設を目指し、COLの実証を目的として設立されたコンソーシアムの1つで、仏アレバ社と米電力会社(コンステレーション・エナジー社)との合弁会社。アーキテクト・エンジニアとして、ベクテル・パワー社が参加している。EPRを米国向けに改良したUSEPRを建設炉型とし、カルバートクリフス3号機の建設に関わるCOL申請作業を進めている。 NRCの規定では、COL申請を分割して行う場合、半年以内に残る部分を提出することが定められている。そのためユニスター・ニュークリアは、来年1月までに残る重要なパートである安全解析書等をNRCへ提出しなければならない。 ユニスター・ニュークリアはこれまで、COL申請時期を来年3月としていたことから、今回のように申請書の中身を分割し、前倒しでCOL申請を行ったことは、驚きをもって受け止められている。USEPRが競合他社のAP1000やESBWRに比べ、数の上で劣勢であることから、他社に先駆けてCOL申請の実績作りを狙っているのでは、と見ることもできる。 カルバートクリフス原子力発電所(PWR×2基)はコンステレーション・エナジー社が所有・運転している。地元自治体のカルバート郡(メリーランド州)は新規建設の誘致に熱心で、コンステレーション・エナジー社からの要請に応え、新規ユニットに税制上の優遇措置(15年間にわたって新規ユニットの固定資産税の50%を控除)を与える方針だ。 |