[原子力産業新聞] 2007年8月2日 第2390号 <3面>

米民主党 大統領候補者3氏 原子力発電への姿勢が鮮明に

米国で7月23日、民主党の大統領候補者3氏による公開討論会が開催され、各候補者の原子力発電に対する姿勢が鮮明になった。

温暖化防止に関する話題の中で視聴者から、原子力発電に対する意見を求められ、各候補者は以下の意見を述べた。

まずJ.エドワーズ上院議員は、「風力、太陽光、バイオ燃料こそが、進むべき道」と、原子力発電には反対であるとした。そして「コストが極めて高いため、米国は原子力発電所を過去数十年建設してこなかった」と指摘し、「放射性廃棄物を安全に処分する方策もみつからない」と批判した。

それに対しB.オバマ上院議員は、「原子力発電は米国のエネルギー・ミックスの一端を担う」と明言。温暖化問題を解決するには、太陽光発電の開発や、温室効果ガスの排出量に上限を設けるなど、「あらゆる解決策を模索する必要がある」との考えを示した。

最後に回答したH.クリントン上院議員は、「原子力発電を良いとも悪いともいえない」と前置きした上で、「原子力発電を将来を担うエネルギーの一部と捉えることには抵抗がある」とした。しかし同時に、「原子力発電が温暖化対策の役に立つならば、コストや放射性廃棄物処分問題に取り組むことで、米国に数百万の新たな雇用も生じ、誰にとっても良い状況を生む」との現実的な姿勢を見せた。

これはCNNが動画配信サービスのユーチューブと提携して開催した討論会。あらかじめユーチューブ上で一般視聴者から投稿された各候補者への質問に対し候補者が回答するもので、新たな手法として注目を集めていた。


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