[原子力産業新聞] 2007年8月2日 第2390号 <3面>

アルゼンチン─カナダ 新設に向け協議開始

アルゼンチン原子力発電会社(NASA)は7月27日、カナダ原子力公社(AECL)と新規原子力発電所の建設に向けた協議を開始する覚書を締結した。NASAは協議の結果を来年4月までにアルゼンチン政府へ報告し、政府の最終判断を求める予定だ。

NASAとAECLは昨年11月、CANDU炉(カナダ式重水炉)のバックフィットや新規建設に向けたフィージビリティ・スタディなどを盛り込んだ原子力協力協定を締結。両社の共同による新規建設に向けたフィージビリティ・スタディは、今年4月に完了していた。

今回締結された覚書は、CANDU6型炉(74万kW)の新規建設に向けた契約交渉の開始が明記されており、両社は、@技術移転A資機材・燃料の調達B建設・運転の技術協力――等について協議することになる。また覚書では、初号機に引き続き2号機も建設する可能性が示唆されている。

覚書の調印式にはカナダのG.ルン天然資源相も出席し、「カナダはクリーンな原子力の世界的リーダーとして、アルゼンチンと協力して世界規模の原子力発電開発を推し進めて行きたい」と抱負を述べた。

アルゼンチンは重水炉路線を選択しており、重水炉関連の研究開発施設や燃料製造、プラント部品の製造を行っている。カナダとの原子力協力協定では、新規建設プロジェクト以外にも、@エンバルセ原子力発電所(CANDU6、64万8,000kW)のバックフィットAアトーチャ2号機(独シーメンス製PHWR、74万5,000kW)の建設再開BCANDU炉市場向けサービスおよび重水供給――など具体的な共同プロジェクトが明記されている。


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